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節分行事は是か非か──ここで全体的な計画に立ち帰る

2月の恒例行事とも言える節分、豆まき。
多くの園で、「鬼が怖くて泣いちゃった」子がいたようです。
保育、幼児教育は、プロフェッショナルな保育者が行事もマネージしているので、
当然、振り返りが行われたと思います。

エデュカーレ84号(2018年5月号)では、特集で全体的な計画の研修について触れましたが、
その中の一つで、以下の様なPDCAの図版を使いました。
これは、P計画→D実践→C評価→A改善→P計画…のサイクルを表す、
実践の質向上のための「カリキュラムマネジメント」といわれるものの図解です。
(情報ソースは、子どもと保育総合研究所運営委員 相馬靖明先生)

私自身、「ときどき、保育課程・教育課程(全体的な計画)に立ち返って
保育を見直す」という話はよく聞き、分かっているつもりでしたが、
この図で考えると、なるほどそういうことね!
とよりよく理解できた。
この節分、豆まきについて当てはめて考えるとこうです。(以下、一つの例です)



日々の振り返りであれば、
通常、その行事が計画やその目標にそってうまく行われたのかをおもに見ると思いますが、
(図表中の茶色のPDCA)
職員の中から「泣いている子がいましたよね」という意見が出たとき、
「そもそもうちの園で大事にしてたのはなんだっけ?」と
そもそも(全体的な計画)に立ちもどって振り返ってみる。
(図表中のピンクのCA)

★おおもとの発想は、アメリカのクリス・アージリス(組織論)が提唱した
シングル・ループ、ダブル・ループ学習という思考形態。
 毎日、PDCAが行われ、(これはシングルループです。輪っかが茶色のシングル、一本です)
場合によって、もっと深くまでCAを行う(これはダブルループになります。
輪っかが茶色とピンクのダブル、2本です)

園の目標に「精神の不撓不屈化」(ふとうふくつ)をバーン!と掲げている園であれば、
“鬼のような異形のものに出合うことで、自分で折り合いを付けられる強い子に育つ”という
説明ができ、計画と実践に整合性がつきます。
一方で、「子どもの心に寄り添った保育」などを掲げていたら、
違った結論になるかもしれません。

何はともあれ、
「行事だから、なんとなくやってる」
「泣いちゃって可愛そうだから、なんとなくやめる」
というのには、専門性を感じられない気がします。

保育指針、教育要領に入ったPDACの概念は、こうやって使うのねと
改めて私も分かった次第。
(おおえだけいこ)

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