今から10数年前、育児環境の大きな変化の中、子どもにとって必要な体験が不足していたり、ストレスを過剰に抱えていたり、うまく自己を表現できず、パニックを起こしたりする子どもたちが増えてきているという保育現場の声がよく聞かれるようになりました。この臨床育児・保育研究会はそうした現場の悩みや声を積極的に取り上げ、子どもたちにどうしたらもっと的確な保育ができるようになれるだろうかという保育者の願いに応えようとして生み出された研究会です。
結成以来、この会では実際の事例を出し合い、子どもたちへの保育のあり方、環境構成の仕方を議論しあうだけでなく、親・保護者への対応の仕方についても議論を重ねてきています。さらにさまざまな分野から講師を招き、新たな知見を積極的に学ぶことや、民営化や指針の改訂、幼保小連携など保育界全体の動向にも目を向け議論しあったり、若い保育者からの発信をもとにこれからの時代に向けた新しい研究会のテーマを模索しあったりしています。
2003年には保育環境をテーマに、現場の具体的な事例をよりていねいに議論する「環境部会」が発足し、保育への想い、悩みを思いきり語れる会として参加者に喜ばれ、続いています。
2004年5月にはこの会の機関紙『エデュカーレ』を創刊し、年々読者が増え続け、全国に広まってきています。
日ごろの研究会では、わいわいがやがや自由な議論を基本としていますので、保育暦の浅い人でもベテランでも同じように遠慮なく議論に参加しています。メンバーは保育士以外に、幼稚園教諭、子育て支援にかかわっている人、臨床心理士、医師、学生、保育養成校の教員、研究者など様々な人が参加しています。この会に参加すると明日からまた、元気に保育したいという気持ちになれ、友人も増えるという楽しみもあるようです。もちろんいつでも参加歓迎、予約は必要ありません、どうぞ気軽に足を運んで下さい!
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