今回の幼稚園教育要領、保育所保育指針の改訂の最大の趣旨は、子どもの育ち支援と保護者支援の専門性をあげることでした。保護者支援は、法的にも幼稚園・保育所とも正規の仕事として規定され、これをどう進めるかは最大のテーマのひとつとなりつつあります。生活に疲れたり心身のメンタルヘルスをうまく守れず苦しんでいる人、子どもとの関係でいらいらしている人、夫婦の関係で悩みの多い人、経済的にギリギリで不安が隠せない人等々、幼稚園、保育園の子育て支援も、そうした現実に深くコミットできるものになっていくことが求められています。
今回のシンポジウムでは、地域でソーシャルワーク的な支援実践を展開してきた二人の保育者を招き、実践の実際を語っていただき、これからの保育ソーシャルワーク的支援の可能性についても考えあいたいと思っています。現場の生の声を聞ききながら、これからの子育て支援の夢を明確にしあいたいと思います。 (文・汐見稔幸)
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